日本における販売

メルセデス

日本における販売台数は、4万9,713台(2006年、日本自動車販売協会連合会)である。内訳は、1位:Eクラス 9,639台、2位:Sクラス 8,078台、3位:Cクラス 8,042台、4位:Bクラス 7,189台、5位:Aクラス 5,157台(2006年、日本自動車輸入組合)など。

長年にわたるヤナセの販売戦略により、「高額」・「高級」というイメージが先行して浸透している。また浜田省吾の「money」という楽曲の歌詞には、金持ちの象徴としてドン・ペリニヨンとともに引用されている。

乗用車

正規ディーラーとして長年取り扱ってきたヤナセと、1990年代以降にスタートしたシュテルン(現メルセデス・ベンツ店)での取り扱いが行われている。

バブル景気末期の1980年代後半から1990年代前半にかけて、一部の三菱ギャラン店で販売されていた事があった。現在も三菱系ディーラーがメルセデス・ベンツ店を運営する場合もある。またシュテルン店の母体の一部にはトヨタや日産などの国産車ディーラーの子会社が運営しているところもある。このほか、並行輸入がいくつかの輸入業者によって行われており、正規輸入ディーラーでは取り扱っていない車種やオプションの組み合わせを購入することが出来る。

メルセデス・ケア

1998年4月以降(AMG、Gクラスは6月以降)に、正規販売店で新車を購入した場合、3年間の無料保障と故障や事故時に「24時間ツーリングサポート」を受けることが出来るサービス。

特徴的なのは、一般的な故障などのほか、ワイパーブレード、オイル、ブレーキパッド、ブレーキディスクなど一部ではあるが消耗品も無料交換の対象となることである。車検整備にかかる費用及び車検取得に必要な諸費用は含まれない。

ただし、メルセデスの輸入販売の老舗であるヤナセにおいては、この制度によりアフターサービスのレベルが向上したと言う訳ではない。同レベルのケアが昔から行われていたことは、1990年代前半よりも前に新車を購入した様な、古くからのユーザーでなければわからないことである。

欧米出荷モデルと日本モデルとの違い

欧米の正規代理店で購入できる車種と、日本国内の正規代理店から購入できる車種で、装備や内装などに違いがあることがある。販売戦略によるケースが大部分である。

他の高級車に装備されたり、欧米での購入時には対応できるもので、国内購入のメルセデス・ベンツに装備されないものの一例

中古車市場

他の自動車ブランド同様に、メルセデス・ベンツでも中古車が広く販売されており、新車に比べ安価に購入することができる。 しかし日本車と比べ、既出にあるような高級車的イメージが保持されており、現行モデルに限っては値段の下落は比較的少ない。但しモデルチェンジの間隔が長いこともあり、旧モデルや旧々モデル、不人気のグレードはかなり安くなる。新車登録から10年を超えるような低年式車では安価な(Sクラスですら100万円以下)ものも珍しくない。

商用車

正規輸入ディーラーとしてコマツ、シュテルン及びその他ディーラーでの取り扱いが行われていたが、ダイムラー・クライスラーと三菱ふそうトラック・バスとの関係の強化に伴い、2006年までに日本における輸入販売事業から撤退した。

バス

ウェスタン自動車(メルセデス・ベンツ日本総代理店)によって1985年に輸入され、1986年に宮城野観光バスに導入されたものが最初である。その後、日の丸自動車興業や岐阜バスなどで導入された。

当初はほとんどが貸切バスとしての導入であるが、日本急行バス(当時)では、名神ハイウェイバス名古屋~神戸線を中心に「ベンツ特急」と銘打って昼行高速バスへ投入した。

1993年に西日本鉄道などへ導入された2台を最後に、新車での輸入は途絶えていたが、その後2006年になって、東京都内の新規貸切バス事業者によって、イギリスで使用されていたスーパーハイデッカー「トゥーロ」が中古車で2台輸入されており、現在は日の丸自動車グループに売却されている。

路線バス車両については、大阪市交通局の小型コミュニティバス(通称「赤バス」)にメルセデス・ベンツ・スプリンター(T1N)が13台導入されたのが最初である。また、2007年末には神奈川中央交通に連節バス(メルセデス・ベンツ・シターロ)が導入されている。

多目的商用自動車

様々な特殊パーツを装備できるウニモグをワイ・エンジニアリング株式会社が販売している。